第1回記事で・・
ダイブポイント(潜るポイント)を決める上で一番重要なのが‘風’であると。。。
では,そもそも,なぜ?風って吹くんでしょうか??
風というのは空気の流れ!
この原理をしっかりおさえておくことで‘風を読む’コトがデキ易くなり,
ベストなダイブポイントを選択するコトが可能になるのです。
~ザックリイメージ~
1.太陽放射が地上に照り付け~→
2.あたたまるんだけど,均一じゃない(緯度の違いなどで)~→
(あたたまって,不均一がおこるモノ自体にもイロイロあって・・・
単純に大気とか,陸とか海とか...)
3.温度差(不均一)できちゃい~→
4.差があんまりデキると都合が悪いから→
5.(あたたまり方の)違いを解消する!
(水が高い山から低地の海へ流れ出るのとおなじ)
その為に,風って吹くんです。
つまり,風が吹く原因は・・・温度差→気圧差!
逆に言うと・・・気圧差がないなら風は吹かないのであります。
微妙な気圧の違いがあるからこそ・・・
それを平衡化する為に風がビュービューがんばってるわけで・・・
‘風を読む’には‘気圧を知る’必要性があるってコトなんです。
ということで,まぁイロイロアレしてきましたが...
ダイビングポイントを決める上で,
【手っ取り早くイイ情報を的確に入手するにはどうしたらイイのか?】
の一例を...実際にボクがやってるコトベースで!いくつかご紹介させていただきます。
~その1~
(株)サーフレジェンド 海快晴アプリを使ってみる!
何が具体的にイイのかって言うのを・・・以下,ザックリ。
●海に特化した気象予報会社で,京都大学防災研究所と共同開発した独自モデルを採用しており・・・予報がまぁアタリそう!
→アタリそう・・・としたのは・・あくまで予想は予想でしかないわけで・・独自モデルだからってイイってわけではないしなので。。
ただ,まぁ,よく研究してんじゃないかなぁ~きっと。。みたいな。
また、京都大学では、船舶の事故などがあった場合には、
その事故原因が海況によるものなのかどうかの判断を、
このモデルをつかっておこなっているってコトであります。
●
風は10kmメッシュで,波は5kmメッシュ,72時間先まで発表しており
1時間ごとに72時間先までを発表しているものは少なく、
ピンポイントで72時間先までの予報を見ることができるので、
スケジュールをたてやすい。
●
アプリ上では・・・地形図からダイビングポイントなどを探せるようになっており・・・ ※一般ダイバー&バディ潜水者などハイアマチュア&プロダイバーにとって必要なデータが手軽にアプリで取得可能で、使いこなせば格段にイイコンディションを選んでダイビングすることが可能になるかと。また,数値だけではなく、数値だけでは判断しづらい場合には、予報画像も見ることができますので、誰でもわかりやすいかなぁ~と。
ポイント毎に『どちらの風に弱いか?強いか?』
つまり・・どの方向からの風が吹くと海が荒れるか?をイメージし易い。
→行ったことないポイントにプロが案内する時&バディ潜水者なんかにもメリットある。
●アプリ上では
天気、気温、降水量、風、波、潮などの予報が
いっぺんに見ることができるので、いろいろな意味でスケジュールなどを立てやすい。
●
どんなモデルを使っても・・・実況と予想では・・・
差がでることも多いと思うのですが・・・
ポイント毎の実際の海の映像も静止画&動画で見ることがデキるので・・・
常に予想データを自ら修正して行くことがデキる。
●
【海面温度】も知ることがデキ、当日の装備(スーツ、インナーなど)
判断などに生かせる。
第1回記事では【風】,第2回は【天気】をよむ大切さを・・・
【じゃ,どうやって?風とか天気をよんだらいいの?】
【どんなものを調べて,どんなツールをつかったらよめるの?】
みたいな具体的なコト・・・
第1.1回【風の読み方】
第2.1回【天気の読み方】
は・・・また後ほどUPするとして。
第3回の今日は,【潮汐をよんで知っておこ~じゃん!】です。
潮汐ってのは・・・
主に他の天体の潮汐力により、天体の表面などが上下する現象であり,
地球の海面の潮汐である海洋潮汐・海面潮汐が広く知られていますが・・・
湖でもある程度の大きさがあれば起こります。
また液体でなくても、大気(大気潮汐)や固体地球(地球潮汐)にも,
他の天体でも起こります。
よくダイバーが・・・
『今日は潮引いてんなぁ~~?』
『潮,これから上げてくんの~??』とか言ってるアレです。
厳密には..ダイバーが【潮】っていうと・・・
【干満潮位】としての意味で使う場合と,
【潮流】としての意味として使う場合(ま,両者,広義では同じかもなんだけど)
の2通りあります。
【干満潮位】
要は潮の満ち引きのことで・・・干満潮位,天文潮位時間を把握することで・・・
●エントリーのし易い時間帯を選ぶことができる
とか・・・
●透明度がイイんじゃねぇかっていう時間帯にダイビングがデキるようになる
などのメリットがあります。
ある地点での干満は・・・通常2回/day,12h50'ごと。
同じ地点,大潮の時の干満タイムはだいたい同じで・・・
湘南だと・・・
干潮:深夜0時,正午
満潮:午前6時,午後6時
【潮流】ってのは,【流れ】のコトで・・・潮汐にともなっておこる流れのことです。
黒潮とかの定常的な流れ?海流とは区別されます。
上げ潮ってのは・・・満潮に向かうときの流れ。
下げ潮ってのは・・・干潮に向かうときの流れ。
潮汐表を見て,当日の塩梅を把握してから海へ行くと良いでしょう!
風が読めて,ポイントが決まったら・・・
その次はベタに【天気】を読んでおきましょう!
当日は・・・晴れなのか?曇りなのか?雨なのか・・・??
やっぱり【天気】はイイにこしたことはありませんが・・・
意外に【ピーカン】だと日焼けが気になるから・・・
【曇り】がイイって言う女性は多いもんです。
あと,これはよくお客様から質問されるコトなんですが・・・
【雨だとダイビング中止ですか?】って話。
答えは【ノー】で,雨が降ってもほとんど海自体には影響ありません。
【気持ち的】なコトは・・・ですがw
※ポイントにより,川の水が入ってくるようなトコは影響ある場合も。
第一回連載記事にもアレさせていただいた通り,第一義は【風】で,
風さえ吹かなければ・・・雨だろうと雪だろうとなんだってOK!
逆に【ドピーカン】でも,強風なら・・・
ダイビングができないってコトなんです。
気象予報士 関田昌広
『明日潜る海はえ~と...どこにしよっかなぁ~?』
ダイビングポイントを決める上で1番重要なのが【風を読むコト】です。
※【風を読む】って一言で書くのは簡単なんですが,
実は非常に難しいんです。。。そのコトについてはまた後日。
ダイビングポイントにはそれぞれ
●弱い風向き,強い風向きというのがありまして・・・つまり・・・
【弱い風向の風(オンショア)が吹く】と【海が荒れ】
【強い風向の風(オフショア)が吹く】と【海は荒れない,穏やか】
ということになります。
※オンショア=海から陸方向に吹く風 オンショア=陸から海方向に吹く風
ベストなダイビングを手にする第一歩は・・・
オフショアになるポイントを選択すること。
当日の風向予想を見て,どちら方向からの風が吹くのかを把握し,
その上で,その風に適したダイビングポイントを
選ぶ必要があるということなのです。
※ポイントにより,風は海面状況だけではなく,透明度なんかにも影響を与えます。
その辺も,また後日。
アマチュアダイバー&バディ潜水の方を見ていると・・・
『えっ?なんで?今日、そのポイント潜るの?』って、疑問に思うコトがわりと多くあります。
ダイバーとしての潜る技術はもちろんですが・・・
正しいポイントを選ぶための知識とスキルと目を養うコトで、
安全に!楽しく!よりよいダイビングLIFEをおくっていただけるようになるのです。
これから、ちょくちょく、
現役プロダイバー&気象予報士としての目線で、
ポイントを選ぶ時の注意点などを連載してまいりたいと思います。
気象予報士 関田昌広